医療現場で働く看護師にとって、患者の看取りを適切に行うことは重要な課題の一つとして位置づけられています。特に、終末期の患者が多く入院する病棟や在宅医療の現場においては看取りを担当する場面が多くなるため、日頃からいざという時に冷静に対応できるようスキルを磨いておくことが大切です。
患者の最期の看取りの際に動揺しないようにするには、なるべく若いころからターミナルケアをはじめとした看護の専門分野について学んでおくことが大事です。大学病院や総合病院など若手の看護師の教育に力を入れている医療機関においては、業務研修の一環としてターミナルケアがテーマとなることもあるので、将来のためにこうしたチャンスを上手く活かしましょう。
また、患者の最期の看取りを行うにあたっては、家族の気持ちに寄り添って対応を行うよう心がけることも大事です。終末期医療を専門に扱う医療機関の中には、ターミナルケアに加え、グリーフケアなど患者の家族の悲しみを和らげるケアを実践しているところも少なくありません。
なお、過去に患者の最期の看取りに携わった経験が無い看護師が自信をもって仕事に取り組むには、未経験の看護師を対象とした実務研修に力を入れている職場を選んだり、外部の教育機関などで終末期の看取りに関するセミナーを受けたりといった方法もあります。その他、実際に終末期医療の現場で長く勤めているベテランの看護師に、仕事上のアドバイスをもらうことも有効です。